Sponsored By YAMAHA MUSIC JAPAN
ここ数年盛り上がりを見せる配信界隈では誰もが知っているであろう製品、YAMAHA AGシリーズ。
使いやすくコンパクトかつ、初心者にも手が届きやすい価格帯、そして何より安心のYAMAHAブランドということもあり、初心者からプロユーザーに至るまで多くの方々に愛されています。今では配信機材のスタンダードと言って良いでしょう。
先日、推しの子(週刊ヤングジャンプ連載中)にAG03と思しき機材が描かれて話題になったのは記憶に新しいところ。
そして今回、AGシリーズについて、YAMAHA開発スタッフの方々にお話を聞く機会を頂きましたので、Computer Music Japan Media独占のインタビューということで記事にすることができたというわけです。
今回ご参加頂いたのは、ヤマハ株式会社 開発担当 白井 瑞之氏、グローバルマーケティング担当 友定 佳史氏、ヤマハミュージックジャパン 国内マーケティング担当の滝澤 真二氏の3名。
開発に至ったきっかけから、先日SNSでも話題になったAGシリーズの音質論争についてまで、詳細に話して頂きました。AGユーザーはもちろん、これからAGシリーズを購入検討されている方も必見の内容ではないかと。
インタビューは2部構成となっており、第一弾はAG03/06について、そして第二弾はフラグシップモデルであるAG08についてお送り致します。
そしてなんと、ヤマハミュージックジャパン様よりComputer Music Japan Media読者の皆様にプレゼントをご用意頂きましたので、是非是非最後までお読みください。※プレゼントキャンペーンは終了しました。
- 1 YAMAHA AGシリーズ開発ストーリーインタビュー
- 1.1 AGシリーズの開発のきっかけについて教えてください
- 1.2 それまでは配信専用機は無かったんですね
- 1.3 ニコ生(配信)の文化が製品開発に繋がっていったっていうような流れはありますか?
- 1.4 当時の配信者からこういった機能があれば良いという要望はありましたか?
- 1.5 リリース時の市場反応はいかがでしたか?
- 1.6 かなり先進的だったってことですね
- 1.7 個人配信時代が来るんだという手応えはありましたか?
- 1.8 スマートフォンの普及によって配信が民主化されたと
- 1.9 サブタイトルですね
- 1.10 日本と中国で顕著に伸びたという事ですが、北米はどうだったんでしょうか?
- 1.11 YAMAHAさんにこんなこと言うのは失礼かもですが、AGシリーズやめようかっていう話にはならなかったのでしょうか?
- 1.12 話は戻りますが、盛り上がったのは2018年以降ですよね
- 1.13 人気の配信者さんが使って、それが認知されて広がったっていうこともありましたか?
- 1.14 AGシリーズ以外の配信機器、マイクなどの売れ行きはどうでしたか?
- 1.15 AG03 mk2開発のきっかけについて教えてください
- 1.16 タイミング的にはものすごくいいですね
- 1.17 ユーザーとしては嬉しい変化ですよね
- 1.18 AG03が推しの子に登場しましたが、どのように感じられましたか?
- 1.19 AG03 MK2の強みは何でしょうか?
- 1.20 同価格帯のモデルではフェーダー付きのモデルは無いですよね
- 1.21 SNSで先日、AG03の音質の部分に焦点が当てられて話題になりました。配信には便利だけど、レコーディングに不向きなんじゃないのっていう方もいれば、ちゃんと設定すればそんなこと全然ないよっていう方もいて、賛否両論意見があった中で、メーカーさんの見解を聞いてみたいなと
- 1.22 これは知らない方も結構いるのではないでしょうか?
- 1.23 利便性を優先してフィジカルな部分にベーシックなコントロールを配置するため、AD/DAの数が増えてしまう
- 1.24 結局便利なのがいいよねっていう
- 1.25 AGシリーズ前編の最後の質問になるんですが、配信をこれから始めてみたいといった初心者の方へのおすすめのポイントは何かありますでしょうか?
- 2 ゲームストリーミングオーディオミキサーZG01についてもお話頂けますか?
- 3 CMJM読者プレゼント ※終了しました
- 4 製品の購入はこちら
YAMAHA AGシリーズ開発ストーリーインタビュー
AGシリーズの開発のきっかけについて教えてください
白井氏:開発のきっかけは、アナログミキサー「MGシリーズ」のモデルチェンジの際、小型モデルにUSBを付けた時にユーザーにどういった需要があるのかと思い、きちんと調査しようということから動き始めました。
そうすると、当時はニコニコ生放送をやっている人たちが、どうやら小型のUSBミキサーとかインターフェース使っていると。
当時は、まだまだ配信というものがそれほどメジャーではなかったこともあり、Windowsのステレオミキサー機能を駆使してループバック的なところを実現したりと、皆さんかなり工夫しつつ配信しておられました。
配信の用途であればMGの要素というよりは、小型で配信に特化してユーザーに使いやすいコンセプトでやろうと決めました。それが一番最初のきっかけです。2013〜14年とかそれぐらいですね。
それまでは配信専用機は無かったんですね
白井氏:そうですね。ミキサーにUSBインターフェースがついているものか、通常のUSBオーディオインターフェースのいずれかでした。他社様で、多少デスクトップスタイルのオーディオインターフェースがあったので、言ってしまえば配信用だったかもしれませんけど、当時は明確には言ってなかったんじゃないかなと思います。
ニコ生(配信)の文化が製品開発に繋がっていったっていうような流れはありますか?
白井氏:ありますね。実際、お客様のことを知るために、ユーザーさんが何を求めているのか?とか、どういう文化が今広がりつつあるのか?みたいな話を伺うために徹底的にインタビューを実施しました。
ヤマハ株式会社 友定氏(左)と白井氏(右)
当時の配信者からこういった機能があれば良いという要望はありましたか?
白井氏:具体的な機能というよりは、こういうユーザーさんがいて、こういうスタイルでやっているという中で ”ユーザーさんのやりたいこと” を多く聞くことが出来ました。
やりたいことを聞いた上で、技術的にこういう機能の実装すればいいんじゃないかな?っていうふうな流れで進んでいきましたね。こういうものであれば、それが実現できそうかな?みたいな。
リリース時の市場反応はいかがでしたか?
特に配信をしている方には、試作品段階の評価を頂く中で、良い評価を得ていたので、市場に出したときにもその界隈にとってはかなり好評だったかなと思います。
ただ、その当時にまだ配信がそんなに一般化してなかったので、製品を届けられたお客様には喜んで頂いてるんだけど、それ以外の人達はあまり気づいていないみたいな…そんな状況だったんじゃないかなと思います。
滝澤氏:初代AG03/AG06発売したのは2015年の5月です。当時の国内での展開・流通は、楽器店様を軸に、音楽制作機器コーナーがある店舗様を中心に扱っていただくことになりました。
その当時は、弊社でもSteinberg製の楽曲制作向けURシリーズなどボックス型のインターフェースを主力で販売している状況でしたので、配信用のミキサーであることが、当時はご説明が難しい状況でした。「これってオーディオインターフェースでしょう?音楽用と何が違うの?」と。
当時販売されていたSteinberg UR22。現在はUR22Cが販売中。
かなり先進的だったってことですね
滝澤氏:「URシリーズのような通常のインターフェースでも配信出来ますよね?」という質問も多く頂きました。それに対してご説明しても、個人配信自体がまだ一般的ではなかった時代ということもあってミキサー方であることや柔軟性の高いルーティングのメリットにピンとこない…っていう所が非常に当時は苦労しました。
個人配信時代が来るんだという手応えはありましたか?
滝澤氏:その当時は、パソコンと接続してニコ生や、Ustreamなどありましたが、どちらかというと先進的な一部の人がやっていた状況でした。ただ、急激にスマホの普及が伸びている時期でしたので、スマホから配信する時代がくるだろうっていうのは、皆さん感じていた状況でした。
2015年〜2017年でスマホの普及率が50%→70%ぐらいまでグッと上がったと統計があるように、個人による配信、特にスマホで配信するユーザーが増えるだろうと感じていました。
ヤマハミュージックジャパン 滝澤氏
スマートフォンの普及によって配信が民主化されたと
滝澤氏:配信する個人の方が増えるにつれて、AGシリーズの需要が増えるだろうなとは思っていました。
そのような時代にAG03/AG06の実機に触れられる展示をして頂いた楽器店様、販売店様には感謝しております。
白井氏:2015年頃にワールドワイドでも発売しましたが、USB接続可能な小型ミキサーでシンセなども普通に繋げるので、一般的なUSBミキサーであるMGシリーズの小型版として見られている事が多かったですね。当時はまだ配信用というイメージがそこまで定着していなかったのだと思います。
滝澤氏:初代AGは”ウェブキャスティングミキサー”という名前が付いていたので、社内でもインターフェースと呼ばず”ウェブキャスティングミキサー”と徹底していた事を思い出しました。
サブタイトルですね
白井氏:市場に認知される時に、これはウェブキャスティングミキサーですと言ってたんですけど、海外だとそれが伝わりきれなかった部分もあって、普通にUSBミキサーみたいに見えてしまったことはありましたね。
友定氏:ワールドワイド的に私が担当したのが、ちょうどコロナ禍になった時(2019年)ぐらいなんですけど、その時に巣篭もり需要が世界的に発生しました。
外に出れない、人と会えない、自宅で過ごす時間をどういった形で使うかと言ったときに、オンラインコミュニケーションだったり、自宅で個人配信をする方が非常に増えました。
全世界的には特に日本と中国が顕著だったんですが、AGシリーズという配信に特化した製品の需要が非常に高まって、販売もすごく伸びました。2015年の販売開始から、ようやく花開いたみたいな劇的な成長が見られましたね。
需要自体は、コロナ前から見えていたのですが、そういった時勢の流れみたいなのもあり、時代にマッチした製品となったのかなと思います。
日本と中国で顕著に伸びたという事ですが、北米はどうだったんでしょうか?
友定氏:もちろん北米も大きな成長傾向はあったんですけれども、個人配信において、内容・コンテンツの質をどんどん高めていきたいという要求が非常に強かったのが、日本と中国でした。
例えば一人でしゃべってるだけではなく、バックにはちょっと小粋なBGMも混ぜたりと、聴き手のことをすごく考えて追求している人が多い傾向があったのかなと見ています。
また色々な音をミックスして配信できるというAGシリーズの汎用性の高さが非常に良く刺さったっていうところもあります。例えばAGシリーズですと楽器も接続できるので、普段トークメインの配信をされている方がある日”ギターで弾いてみた”をちょっとやってみたいと思い立った時にも対応できます。そういった幅広い用途に柔軟に対応でき、長く使い続けることができる製品であることが配信者の方に愛されたのだと思います。
滝澤氏:国内ですと、その当時初代AG03が15,000円前後で流通していました。コストパフォーマンスという点も、評価されたポイントの一つかなと思います。
初代AG03
YAMAHAさんにこんなこと言うのは失礼かもですが、AGシリーズやめようかっていう話にはならなかったのでしょうか?
白井氏:ゼロではなかったんじゃないかなと思います。企業にありがちなんですけれども、担当者が変わったりもするので。この領域をやっていこう!っていう強い想いがある人がいないとダメなんです。
実は私は一回、その初代のAGシリーズを企画した後に別の商品に移っているので、その間、ある意味手薄だったといいますか、訴求力が本社としては落ちているところもあって。
一定数は売れてるけど、今後どうしようかなっていうところまでは、動けてなかったのかなと思います。
話は戻りますが、盛り上がったのは2018年以降ですよね
白井氏:やっぱりそうですね。2017年ぐらいからスマホでライブ配信をするプラットフォーム「17LIVE」さんや「Pococha」さんなど増えてきたときに、最初はスマホ一台で配信出来るっていうのがコンセプトだったんですけど、そのうちこだわる人が出てきまして、やっぱり競争なんで「音が良い方が良い」とか「やっぱりBGMがあった方が良い」みたいなところで、演出が始まって。
そうするとミキサーが必要になってきて、AGシリーズがちょうどスマホでも使える(iPhoneはアダプタが必要)ものだったので「じゃあ、音質を上げるためにはAG!」みたいな定番化が始まったのが非常に多かった大きかったんじゃないかなと思います。
人気の配信者さんが使って、それが認知されて広がったっていうこともありましたか?
白井氏:初代AG発売初期の頃、特にニコ生の方々などは音響知識を持った方が多く、その後のスマホ配信の時代の方に向けて「とりあえずYAMAHAのAG買っておけばいいよ」って言ってくれたのが大きいと思います。
AGシリーズ以外の配信機器、マイクなどの売れ行きはどうでしたか?
白井氏:実はAG以外の配信機器はYAMAHAでは発売していなかったんです。
友定氏:これまでは、AG03シリーズのようなミキサー単体のみだったので、そこもしっかり対応しましょうということで、2020年4月にリリースしたのがセット品番です。
AG03MK2 LIVE STREAMING PACKには、ヘッドホンとマイクを同梱しており、一通り配信機材が揃うものをリリースして、皆さんにご提供できるようになりました。
AG03 mk2 LIVE STREAMING PACKには、ヘッドホンとマイクが付属しておりこれさえあれば一通り配信機材が揃う
AG03 mk2開発のきっかけについて教えてください
白井氏:2015年初代AGのリリースから2020年コロナ禍にかけては市場にかなり変化があり、一部のコアな方が配信する時代から一般の人も気軽に個人配信を始められるようになってきました。そのような変化の中で配信スタイルも変わってきていました。
単に何か喋ってBGM流して…ではなく、歌もそうですし、ゲーミング配信をしたり、友達とのチャットも混ぜてを流すとか、配信のスタイルが多様化し始めたと。そういう動きは見ていたので、何かしらAGシリーズの後継機だったり、ラインナップっていうのは必要だなと思っていました。
それとほぼ同時期に、コロナ禍になったという感じですけど、市場の広がりやユーザーが変わってきたことに対応しなきゃいけないということがきっかけになってます。
タイミング的にはものすごくいいですね
白井氏:まあ、市場からはちょっと遅かったみたいな話もありましたけど(笑)
ある程度の開発ができることになったので、AG03、AG06のMK2だけではなくて、その多様化するスタイルに合わせてAG01(マイク・ミキサー一体型AG)、AG08(配信用ミキサーのフラグシップモデル)、あとはマイクなどをセットにした(Live Streaming Pack)のソリューションの青写真ができました。
テーマとしてはAG03/06の初代がある程度認知されていたので、そこから大きく変えることはあえてしないようにしたんです。当時、社内ではインナーマッスル強化という言い方をしていました。
初心者でもセットアップが簡単に行える機能を搭載したマイク AG01
ユーザーとしては嬉しい変化ですよね
白井氏:せっかく慣れたインターフェース変えてしまうと、それはちょっとどうかなっていうこともあり、そこはなんとかキープするようにしました。
追加機能として、ミュートがついた事は大きくアップデートされた点です。あとはノイズも初代と比べ抑えたというのもあります。そういったところは、お客様に受け入れられたかなと思います。
友定氏:あとは、スマートフォンの接続ができる4極ミニ入出力端子が追加されました。そういった新たなアナログ接続の手段が増えた事も非常に喜ばれた点です。初代はUSB接続のみだった所が強化され、可能性が生まれたというところですね。
AG03が推しの子に登場しましたが、どのように感じられましたか?
白井氏:あれは純粋に嬉しかったです。AGのポリシーというか、狙いは”定番化”することだったので、漫画やアニメだったり、CMのところにちょっとしたところにAGが入っていると、やっぱり嬉しいです。
あのシーンはおそらく、単純に定番のミキサー型オーディオインターフェースといえばこれだろうという流れでAGを出していただいたんじゃないかなと思います。文脈としても、配信というよりは、オーディオインターフェース的な感じでしたし。「よし、これから曲作ってやるか?」みたいな文脈で使われていたので。いずれにしても作中にAGを描いて頂いた事の影響はとても大きく、定番化という側面を含めてとてもありがたいです。
AG03 MK2の強みは何でしょうか?
白井氏:ざっくりいうと、UXデザインにこだわっていて、シンプルに、直感的に操作できることをとにかく追求しています。
ルーティングとか、レベル音量とか、とりあえず見ればわかるようにしてあります。また、AGは、ベーシックな操作とアドバンスな操作を完全に分けて、ベーシックな操作は必ず本体盤面でわかるように徹底しています。アドバンスな操作はアプリを使えばできるようアディショナルな部分としています。
そこがAGの良さかなと思ってます。配信中に必要な操作は手元でいじれるっていう。
同価格帯のモデルではフェーダー付きのモデルは無いですよね
白井氏:実は、放送局のカフボックスからアイディアを持ってきたんです。最初は小型にしたかったので、ツマミでよかったんですけど、ハイエンドの放送はカフボックスがあって、音量をスッと抑えられるようにしているので。
今となってはフェーダーはAGシリーズの象徴とも言える存在
ただ「電車でGO!」みたいなものをミキサーにつけるわけにもいかないよな、っていうことになって。
それでフェーダーにしたんです。それが割とプロフェッショナルなルックにも結びつくし、そもそも音量としてフェーダーっていうのが分かりやすいっていうのもあって。
AG06 MK2
SNSで先日、AG03の音質の部分に焦点が当てられて話題になりました。配信には便利だけど、レコーディングに不向きなんじゃないのっていう方もいれば、ちゃんと設定すればそんなこと全然ないよっていう方もいて、賛否両論意見があった中で、メーカーさんの見解を聞いてみたいなと
白井氏:AGはエフェクト等の信号処理するために自社のDSPを使っているんですけど、そのためにはAD/DAが必要で、アナログからデジタルに変換処理して、それをまたアナログに変換しています。
ワンボタンで簡単に遅延なしにコンプレッサーやリバーブがかかるようにするため、そのような仕様にしています。
そうすると、他のインターフェースと比べた際に、一度多くAD/DAを通ってしまっているんです。AD/DAって、基本的には性能が良いのであまり音質変化は少ないんですけれども、やっぱり素通しに比べれば音質が変わる傾向にあります。
なので、その部分は原理的に不利な部分ではあります。ただ、AGは配信向けで、配信では音声信号は最終的にかなり圧縮されるためその差が小さくなることを見越して、利便性を優先した結果そうしているんですけど、そのままでは、レコーディング用途において、確かに不利なポイントにはなってくると思います。
この点は、開発当時も実はその議論があって、それを回避するオプションがないかなとうことで、実はドライチャンネルというモード切り替えスイッチを用意しています。このモードで録音することで、そのDSPをバイパスした状態でUSBオーディオとして送ることが可能です。
そうしていただけると、余分なAD/DA変換がないので、基本的には通常のオーディオインターフェースとほぼ同じクオリティになります。ですから、レコーディング時には是非ドライチャンネルというモードを使っていただくのが良いかと思います。
中央のSTREAMING OUT部に「DRY CH1-2G」の切り替えスイッチが搭載されている
これは知らない方も結構いるのではないでしょうか?
白井氏:そうですね。ブロック図には、DSPという表記のかわりにコンプとEQとリバーブとして書いてあるんですけれども、そこにAD/DAが通ってしまっているっていうのが大きな違いですね。
友定氏:音質についてちゃんと設定すればというお声に対して言及すると、特にエントリー層の人にいらっしゃるかもしれない点として、ゲインの調整のところですね。マイクをつないで、音量が足りないからといってゲインのノブを上げすぎてしまっているケースは、お問い合わせや直接会話した中でも割と多くあります。
適正な音量調整や、設定のところは、ちょっと難しい面もありますが、しっかり設定していただくと、AGの本来の力を発揮いただけます。
また、使うマイク的にゲインがもっと欲しい場合は、AGとマイクの間にプリアンプとなるようなものを別途挟んでいただくなど、AGの手前側で改善につながるポイントもあったりします。
このあたりは、AGシリーズは新たに配信に挑戦される方たちに数多く選ばれている中、我々マーケティングサイドの訴求不足の面が大きいと認識していますので、今後は強化して行きたいというところです。
滝澤氏:特にAGシリーズはゲインとボリュームが個別で本体で触れるのですが、URシリーズのようなレコーディング用機材に関しては、ボリュームは内部で固定なんです。
URシリーズですと本体でゲインしか調整できない所、AGシリーズではボリュームとゲイン共に調整できる為、ある意味では音量調整が難しいと思います。
利便性を優先してフィジカルな部分にベーシックなコントロールを配置するため、AD/DAの数が増えてしまう
白井氏:音声のルーティングって、やっぱり一番難しいポイントなのではないかと思います。ちょっと自慢話みたいになって恐縮なんですけど、皆さんAGから卒業して、ほかのインターフェースをお使いになるんですけど、結局また利便性のためにAGに戻ってくるっていう話を何度か頂いたことがあります。
結局、音質が良いと言われるオーディオインターフェース製品を試してみたもののしばらくすると配信で使うのは結局またっAGに戻ってしまったみたいな(笑)そういった話は何度か聞きましたね。
結局便利なのがいいよねっていう
白井氏:手元で直感的に操作できるっていうのが配信という用途においては圧倒的にメリットだと思います。
滝澤氏:マーケティング的な所で言うと、初代AGシリーズで「ウェブキャスティングミキサー」と読んでいた頃は個人配信がこれからという時代もあり、何にでも使えます的な部分をアプローチしてたところもありまして。音楽制作にも使えるイメージ写真を盛り込んでいたところがあります。
今回、MK2になり「ウェブキャスティングミキサー」から「ライブストリーミングミキサー」として、配信に特化した機器のメッセージとして「これは配信用の機器です、楽曲制作用ではありません」と明確に差別化している状況です。
友定氏:「ライブストリーミングミキサー」は、グローバルで統一して使っている名前になっています。世界的にライブストリーミングというのは、生配信みたいなところの意味になりますので、それで統一している形ですね。
AGシリーズ前編の最後の質問になるんですが、配信をこれから始めてみたいといった初心者の方へのおすすめのポイントは何かありますでしょうか?
白井氏:AGシリーズには一通り配信に必要な機能は入ってますし、リバーブなどのエフェクトもかけられるので、まずはこの一台からスタート出来るという点が上げられます。
あとは、世の中に経験値が溜まっているというか、使い方を知っている人も増えた結果、ドキュメントや動画がオンライン上にたくさんあります。これらはある意味、配信業界共通の資産になってるのかなと思います。
滝澤氏:AGのメリットは、コストパフォーマンスと高い汎用性を備えた基本性能です。これがあれば、初心者の方が実現したいことに対して困ることがありません。
何が良いか?というよりは、オールマイティーで導入しやすい機器なので、安心して導入してください。何かわからなくなったら、たくさんのユーザー様がいらっしゃるので、聞いたり調べたり出来る事もあげられます。
あと、AGシリーズはPAインフォメーションセンターで電話でのお問い合わせも受けている製品になります。初心者の方も非常に安心して導入できると思います。
参考リンク:プロオーディオインフォメーションセンターへのお問い合わせについて
ゲームストリーミングオーディオミキサーZG01についてもお話頂けますか?
白井氏:ZG01については、配信の中で一番難しくなる部分がゲーム配信だったので、ゲーム向けに特化したインターフェースというのが必要だったということです。
社内に、ゲーム好きで配信もしている社員がおりまして、彼はAGも使っているんですが、HDMIからの信号をオーディオだけを抜き出してAGに入力するのが煩わしく、痒いところに手が届いていないと。そこで、ゲーマー向けのソリューションが欲しいという、ゲームプレイヤーであり且つ配信者でもある彼自身がターゲットとなる方へのインタビューも実施しながら要望を別途取りまとめて企画し、製品化したという流れです。
ZG01は、ゲーム配信やってみたい!と思わせる製品ですね。シンプルなインターフェイスも分かりやすいです
白井氏:シンプルさを追求したAGでも表のパネル面を見ると難しい!って思われる方がやっぱり多くて。そういったところもZGは一旦もう(分かりやすい方向に)全振りしてみようとああいう形になりましたね。
ユーザーの反応はいかがでしたか?
友定氏:発表・発売直後よりゲームプレイヤー、ゲーム配信者の皆様からはとても大きな反響をいただきました。先行販売開始したAmazonでは一瞬で予定数を超過したオーダーが入り、システムによる受注停止が追いつかないほどでした。
あとはAGシリーズと比較して何が違うのか?どんな方はZGを選ぶと良いのか?というお声もよくいただきますが、音楽用途などカバーできる高い汎用性が売りのAGとは異なり、ZGにはゲーム音声のためのエフェクトや接続コネクタをはじめ、ゲーム体験・環境を良くするためのゲームに特化した機能が集約されています。ゲームプレイやチャット、ゲーム配信など、ゲームに関することをされる方にはZGがおすすめです。
現在は供給も安定し、継続的に良好な反響を頂けており、改めて注目度も高まってきている状態ですので今後に期待しています。AGシリーズも発売から数年越しに一気に普及したこという経緯もあるので、ZGシリーズもそうなれるよう続けていきたいというのが現在の状況です。
CMJM読者プレゼント ※終了しました
下記の方法で応募された方の中から抽選で合計3名様に、YAMAHA社製品を差し上げます。
- YAMAHA AG01 1名様
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プレゼントの応募方法です。
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当選者の発表はX(twitter)のDM及び、メンションにて行います。※10月16日頃予定。
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