名エキスパンダー「dbx Model 1BX」を現代的な手法を交えて忠実に再現、AUDIOTHING「TYPE X」リリースです。
TYPE X
『TYPE X』は、家庭用ハイファイオーディオの黄金時代に登場した、「dbx® Model 1BX」の忠実なエミュレーションです。音量の大小の差を広げてダイナミックレンジを拡張し、表現豊かなコントラストを加えることで、あらゆるトラックの生命感、迫力、存在感を高めます。
元々はカセットテープやFM放送といった圧縮された音源を向上させるために設計されていましたが、本製品はそこに現代的な柔軟性を加えています。ハイパスおよびローパスフィルター付きのサイドチェイン入力を搭載し、どの信号がエキスパンダーの動作をトリガーするかを正確にコントロールできます。さらに、内部のアタックタイムとリリースタイムの調整パラメータにより、オリジナルの「dbx® Model 1BX」にはなかった細やかな音作りが可能です。
「dbx® Model 1BX」の歴史
1978年に登場した「dbx® Model 1BX」は、音楽再生時のダイナミックレンジを拡大し、より豊かなリスニング体験を提供することを目的として開発されました。このシングルバンド・エクスパンダーは、「静かな音をより静かに、大きな音はそのままに(あるいはさらに大きく)」することで、録音や放送で失われがちな本来のダイナミクスを回復することを目指していました。
最大 1.5:1 のエクスパンション比を持つ「dbx® Model 1BX」は、広い周波数帯域にわたってステレオのダイナミックレンジを最大50%向上させることができました。この性能により、「dbx® Model 1BX」はカセットテープやFM放送、アナログレコードといった圧縮音源を再生するオーディオファンやプロの間で高い評価を受けました。
その成功を受け、後継機として「1BX Series II」や「1BX Series III」が登場し、さらなる機能強化と改良が加えられました。これらの機種もヴィンテージ録音に命を吹き込むツールとして、今なお多くの愛好者に使用されています。
仕組みについて
本製品は、広帯域にわたりダイナミクスの拡張を施すことで、音声信号に含まれる「静と動の差」を増大させます。従来のコンプレッサーとは逆の動作をし、「静かな音はより静かに、大きな音はそのままに(またはわずかに大きく)」することで、サウンドをよりダイナミックで表情豊かにします。
内部的にはオリジナルの「dbx® Model 1BX」と同様にRMS検出器を使用して入力信号を分析し、長期間にわたる平均エネルギーを追跡します。信号がユーザー指定のトランジションレベルを超えると、設定されたエクスパンション比に応じてゲイン調整が行われます。またアタックタイムとリリースタイムの調整機能により、どの程度の速さで反応するかを細かく調整できます。
加えてフィルター付きサイドチェインを備えており、どの音がエクスパンションをトリガーするかを正確にコントロールできます。
メイン入力と外部サイドチェイン信号のどちらかをソースとして選び、専用のハイパスフィルターとローパスフィルターでサウンドを整えることができます。ゲインコントロールを使えば、サイドチェインの音量を個別に調整できるため、素材が小さすぎたり大きすぎたりしても、安定してトリガーされるように設定できます。
さらに、ソースリスニング機能を有効にすることで、エキスパンダーに取り込まれている音声を聴くことも可能です。
通常8,500円のところ、4,100円となっています。