CASIO Waves Place 80年代ヴィンテージ音源「VL-1」「MT-40」「SK-1」レビュー

CASIOの名機サウンドをそのまま再現できる時代に。

Waves Placeがアップデートを果たし、80年代を象徴する「VL-1」「MT-40」「SK-1」のサウンドを、音楽制作に取り込むことが可能となりました。

当時のサウンドを堪能したい方や、ローファイなサウンドを楽曲に取り込みたい方には特に見逃せない内容です。

細部にまでCASIOの並々ならぬ拘りが感じられるので、是非最後まで読んでみてください。

参考記事:CASIOが展開する効果音生成ツール「Waves Place」に、80年代のヴィンテージ音源が追加!

機能概要

それぞれの音源はWAV形式での提供となっており、リズムワンショットはDAWなどにドラッグ&ドロップで即使用可能。

一方で、音階があるピアノやギターなどの音色は、手持ちのサンプラーに読み込んで使用する形となります。

収録されている音色(WAVファイル)の数は次のとおり。

  • VL-1 1,423音(楽器12種類、ワンショットリズム4種類、電子音27種類)
  • MT-40 1,097音(楽器23種類、ワンショットリズム16種類、ループ6種類)
  • SK-1 623音(楽器19種類、ワンショットリズム15種類)

各楽器音はすべての鍵盤をサンプリングしており、VL-1は29鍵、MT-40/SK-1はそれぞれ37鍵を網羅しています。

特徴

本音源の最大の特徴は「完全再現」にあります。

ピッチを変えたものを抜粋していくつかの鍵盤をサンプリングしているわけではなく、すべての鍵盤を漏らさず収録しているので、ほぼ実機に近い再現が可能なんですよね。

さらに、本家CASIOの公式音源ということもあり、信頼性も担保されているのもポイント。

容量を節約したい場合はいくつかの音階を読み込んでピッチ設定しても良いとは思いますが、再現性を重視するなら全音階の読み込み推奨です。

最高のお膳立てをした上で、用途に応じた運用をプレイヤーに委ねてくれているのは嬉しい。

それぞれ、5音のみ試聴が可能で、その他の音色はテキストで確認する必要があります。

カテゴリ分けされているものの、ひとつずつ確認するのは結構大変ですが、音色名の検索ができるので「Guitar」や「Hihat」などと打ち込んで、欲しい音色があるかどうか探せるのはいいですね。

サウンドについて

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サウンドの質感は、実機さながらで全く申し分ありません。さすがは本家。

違いがあるとすれば、波形を直接サンプリングしてあるため、搭載スピーカーの質感ではないという部分ですね。

とはいえ、ミックスの観点ではむしろ扱いやすいので、こちらの方が良い場合がほとんどでしょう。

VL-1、MT-40は80年代の電子音が凝縮されていて、鳴らした瞬間に当時の空気を感じるほどです。

サウンドはシンプルですが、独自のキャラクターが存在感を感じさせます。

SK-1はサンプリングキーボードらしく、ローファイながらもリアルな楽器をイメージできるので、少し毛色は違いますが、リアルではない、あえてチープな楽器のサウンドというのはありそうでないので、これも絶妙に良い味を出しています。

ちなみに、MT-40には『スレンテン』も収録されています。

「スレンテン」とは

1985年に世界的に大ヒットしたレゲエの曲にMT-40内蔵のリズムパターンがそのまま使用されました。このリズムパターンは通称「スレンテン」と呼ばれ、「スレンテンがレゲエ界に革命をもたらす救世主である」という主旨の記事が音楽雑誌に掲載されるほどでした。レゲエ界のコンピューターライズド革命のきっかけとなったMT-40は、新しい音楽文化を生んだ電子キーボードとも言えます。

出典:CASIO公式サイト

使いどころやシチュエーション

VL-1の実機はモノフォニックシンセサイザーですが、サンプラーに取り込んで使用することでポリフォニックシンセサイザーとしても機能します。

80年代のカシオサウンドを最新のテクノロジーで現代に甦らせられるのは、非常に大きな魅力のひとつ。

ハードウェア実機の状態の良いものをみつけて、1,000音以上サンプリングして加工する手間を考えたら恐ろしいほどコスパが良いかと。

今後のCASIO製他シンセサイザーにも期待

今回、本家からヴィンテージシンセサイザー音源がWAVとしてリリースされたことで、今後の展開も気になるところです。

CASIOといえば、こちらも80年代に名を馳せたPD音源(Phase Distortion)搭載のCZシリーズなどのシンセサイザー資産を多数持っているため、今後の展開も非常に楽しみになってきました。

さいごに

素材の完成度が非常に高いので、80年代の音を再現するというよりは「そのまま使える」ことが大きなポイント。

80年代のシンセサイザーは、耳にするだけでその時代の雰囲気を一気に色鮮やかに思い起こさせてくれる魅力があります。

懐かしんで使用するもよし、80年代テイストを新しい楽曲に取り込むもよし、使い方は無限大。

本家CASIOの本物のサウンドを使えるというのが何よりものアドバンテージではないでしょうか。

Waves Place、是非チェックしてみてください。

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