快適な操作感のモダンUIと、アナログ味溢れるサウンドの両立を得意としているアメリカのデベロッパーGoodhertz社から、一風変わったディレイプラグイン、DC19を紹介いたします。
『プレイできるディレイ』がコンセプトの本製品は、ハードウェアシンセのようにつまみを動かした際の音色変化を楽しめるような設計になっています。
Goodhertzの他の製品と同様、DC19もアナログサウンドに振り切っていて、音質は非常に良質、まるでハードウェアを扱っているような感覚になります。
普通に使ってもよし、動きをつけて独創的なサウンドにするもよしのDC19のファーストインプレッションをレビューさせていただきます。
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DC19
DC19の主な特徴は以下の通り。
- シングル、デュアル、またはその中間の柔軟なディレイコントロール
- パンニングセクションにより、各ディレイ・ラインが空間のどこに位置するか正確にコントロール可能
- クオンタイズ量が調整可能なノートシンク機能
- ホールド/キル操作が便利なマクロ
- ユニークなテープサチュレーションとフィルター
- すべてのディレイで制御可能なグライドタイム
機能的に真新しいものはないのですが、特筆すべきはその特徴的なUIによる操作感と、そこから得れる他のディレイとは違ったアプローチにあると感じました。
一般的なディレイではディレイタイムを決めるパラメータはノブやボタン形式だと思いますが、DC19では音符が記された見慣れないマップ上で、ポインタを動かすという操作になります。
このスライド操作は、シームレスに動かすこともできますし、各音符のクオンタイズをONにすれば、その音符でぴったり止めることもできます。
この見え方と操作感、そして太いアナログサウンドとテープグライドも相まって、「次はどこに動かそうかな」という思考になりやすく、それがDC19で得れる独特なサウンドに繋がります。
サウンドについては、テープサチュレーション、フィルター、スプリングリバーブが、主な音色変化の構成要素になっていますが、どれもアナログ感の強い質感になっていて、Lo-Fiな雰囲気やダブディレイを得たい場合にマッチします。
ディレイには当たり前についているフィードバックのコントロールも、シンプルなスライダー形式ながら視認性と操作感に優れているので、得たいフィードバックを正確に設定できます。
Goodhertzの他の製品でも同様の印象があるのですが、UIが一見すると複雑そうに見えるのですが、実際に操作してみると、すごく考えられて作られていることが分かります。
日本語のGUIも用意されている
レビュー動画ではシンプルなリズムトラックを使って実例を紹介しています。
心地よいアナログサウンド、オートメーションした時のサウンド変化など、DC19のポテンシャルを感じていただけると思うので是非ご参考ください。
もちろん普通のディレイのようにパラメータ固定で使ってもDC19は十分活用できます。
デュアルディレイとパンニング、ピンポン設定で複雑なシーケンスを作っても良いですし、20〜30msのダブリング設定では他にはない厚みを感じます。
その他、あまり見ない機能としてパンニングにおけるバイノーラル具合を調整できます。
バイノーラル値を上げると臨場感が増し、ディレイの音像が近く感じるので、ここぞというときに使うとサウンドを印象づけれると思いました。
デジタルディレイのようなクリアサウンドには向きませんが、アナログディレイがほしい状況では素材やジャンルを選ばず重宝すると思います。
CPU負荷
1個インサート時のCubase負荷は5〜7%程度で、中程度の負荷といえます。
複数のディレイプラグインと比較した時、若干負荷が高いように思いました。
ただ、ゼロレイテンシーなので遅延が気になる状況でも使えるのはメリットです。
- OS : macOS Sonoma 14.1
- CPU : Mac M2 12コア
- メモリ : 64GB
- DAW : Cubase Pro 14
- バッファサイズ : 2048samples
- サンプリングレート : 48kHz
- ビット解像度 : 32bit float
- オーディオIF : Prism Sound Lyra1
まとめ
Goodhertz製品は以前MegaVerbをレビューさせていただきましたが、その時と同じように満足感のあるファーストインプレッションでした。
遊び心のあるコントロール類はそもそも音質が良くないと価値が半減してしまうところですが、DC19はその点は全く問題なく、他社製品と比較しても積極的に使いたくなるようなサウンドです。
クリエイティブが刺激されるDC19を是非『プレイ』してみてください。
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