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Abyss というワードの意味は日本語でいうと「深淵」という言葉になります。
深淵とは簡単に言うと奥が深いという意味でも扱われます。このプラグインはただのコンプレッサーではなく、コンプレッサーの深淵を覗き見るプラグインです。このプラグインは奥が深い、または底を見ることさえ困難なものとなっています。
コンプレッサーの深淵を覗くことができる、そんなことを抱かせてくれる、非常に多彩な変化幅をもつプラグインです。
P11 Abyss
概要
今回紹介するのは Pulsar Modular – P11 Abyss というプラグインです。
このコンプレッサーですが、なんとなくアナログモデリングコンプレッサーなのかな、と思わせる UI をしていますが、残念ながらモデリングコンプレッサーではありません。
このプラグインはデジタルとアナログのコンプレッサー挙動の垣根を超えるようなパラメータを有しており、アナログとデジタルの領域を融合するような視点で利用することが出来ます。
性能
このプラグインは非常に多彩な音色を表現することが可能で、各パラメータを自分の思い通りに利用することが求められます。
最初はプリセットから微調整することを覚えると良いと思いますが、見慣れないパラメータを利用していく事によって、P11 一つでなんにでも化けることが出来ます。
このコンプレッサーは今までのコンプレッサーの制約を排除するような設計があます。
例えばプラグインでもアナログデバイスでも同じですが FET コンプレッサーは FET コンプレッサーの動作以外は不可能です。
当たり前のことを言っているのですが、P11 Abyss は複数のコンプレッサーの挙動を再現します。
PSI
PSI というツマミがこのコンプレッサーの中核となるツマミです。0 〜 10 の間で、コンプレッサーのディティールが変化します。
これを利用することで、アグレッシブなコンプレッサーを再現するか、非常にナチュラルかつクリアなコンプレッサーを再現するかを調整出来ます。
Clipper
このコンプレッサーにはクリッパーがあり、このクリッパーを上手に使うことで、ハードなコンプレッサーの表現を行ったり、非常にナチュラルに歪むコンプレッサーの挙動も再現できます。
もちろん、直接処理される信号以外にも、ディテクターに利用される信号に Clipper を利用できるため、リダクションの方法まで微調整が可能になります。
Trasformer
トランスの入出力オプションが備わっているため、数あるアナログモデリングのトランス要素を再現することができます。
出力オプション
最終的な Dry/Wet 回路や MAIN OUT にも出力オプションが付いており、LIMITER など色々な出力パターンを提供します。
非常に自由度が高いため、これらを駆使して自分でオリジナルコンプレッサーを構築するのがこのプラグインの目標かもしれません。
まとめ
非常に難しいコンプレッサーですが、一つずつ、パラメータを理解し、信号のブロックダイヤグラムを理解することで、自身のエンジニアリングのレベルアップにも活用できる非常に優れた設計思想を持っています。
この機会に利用することで、必ずあなたのためになるような要素満載のため、音質云々というより、オーディオの深淵を見るために活用してみてはいかがでしょうか。