DOTEC-AUDIO「DeeBalance」「DeeEdge」開発者インタビュー

Computer Music Japan Storeでも絶賛お取り扱い中の、国産ソフトウェアデベロッパーDOTEC-AUDIO(@DotecAudio)から新製品「DeeBalance」と「DeeEdge」が登場です。

今までのDOTEC-AUDIO製品と同じく、”抜群の効果”と”シンプルで使いやすい”コンセプトを踏襲した製品となっています。

そして今回、新製品「DeeBalance」と「DeeEdge」に加えて、人気製品である「DeeField」について、開発者であるフランク重虎氏にお話を聞くことができたので、是非最後まで読んでみてください。

前回のインタビュー記事はこちら➡DOTEC-AUDIO開発者インタビュー

DeeBalance

周波数バランスに過不足のないミックスを実現するとのことですが、これは2MIXのマスター段で使用することを想定したものでしょうか?

フランク重虎氏:はい、トータルでマルチバンドコンプを使う場合と同じ役割をします。なおかつ、スナップの効いたアタック感など簡単にダイアルで調整できます。

これらはマルチバンドコンプと帯域の役目を熟知していないと難しい作業になります。

特に低域の処理は高度になりますが、ワンノブで誰でも整えられます。

どのようなジャンルでもバランスの取れた仕上がりになるのでしょうか?または、DeeBalanceが得意なジャンルなどありますでしょうか?

フランク重虎氏:意図して実験的な音質を求める場合以外は、どのようなジャンルでも整います。

多くのリスナーが聴いて心地よいと感じるバランスで仕上がります。是非一度デモ版でご自身の曲に合うかお試し頂きたいです。

開発に苦労した点、エピソードなどありますでしょうか?

フランク重虎氏:車の自動運転が難しいように、マルチバンドコンプをワンノブにすることは非常に難しいです。プリセットのように固定値ではワンノブ化と言えません。入力された音に対してアクティブに最適化できて、ラーニングタイムも必要なくリアルタイムに対応できる仕組みはとても複雑になります。

一方で、ユーザーが触れる場所には複雑さを残さない事が重要で、最も大変でした。

DeeEdge

BeatDetect機能が気になりましたが、これは2MIXやマスターで使用する際にも便利そうですね。

フランク重虎氏:はい、ミックスされた音に使うと全体のグルーヴを揃えられます。例えばドラムのテンションに上物がついていけてない、つまりリズム隊に対して他の楽器が平坦な聴こえ方をする場合にも躍動感を与えられます。これはグルーコンプレッションとは違ったアグレッシヴな方向の一体感がでます。

各楽器を目立たせたい、存在感を出したい、そんな時に簡単なワンノブはミックスが苦手な初心者にもかなり心強い味方になりそうです。

フランク重虎氏:高音や低音を出したいなどと違い、存在感を出したいという作業が曖昧な欲求はとてもレベルが高い話になりますので、一番ワンノブ化を進めるべきポイントだと思います。

もちろんエンジニアを目指す方は既存の組み合わせや仕組みから理解する事が大事ですが、アーティストは描いたイメージをいち早く音に変える事が最優先だと思います。

こちらもDeeBalance同様にお聞かせ頂きたいのですが、開発に苦労した点、エピソードなどありますでしょうか?

フランク重虎氏:前述の存在感を出したいなどの作業はエンジニアにより異なりますので、どの手順が最も広く効果的か選定する事に時間を費やしました。その上でワンノブとしての共通した大変さがあります。

DeeField

お答え頂ける範囲で良いのですが、このプラグインの内部では一体どのような処理が行われているのでしょうか?

フランク重虎氏:簡単には位相の細工をオールパスフィルターで行っています。DeeFieldで得られる効果は昔からエンジニアのテクニックとして存在ます。しかしオールパスフィルターの単体製品は知る限りありませんので、従来はバンド数の多いグラフィックEQを左右で絶妙に設定したり、位相反転や遅延処理なども合わせて行っていました。それで良い鳴り方をさせるには熟練した技が必要です。しかし非常に効果の高い作業のため、DeeFieldでワンノブ化を行いました。

こちらも同様にお聞かせ頂きたいのですが、開発に苦労した点、エピソードなどありますでしょうか?

フランク重虎氏:前述にある、音に対して最適なグラフィックEQの設定をアクティブに操作するのは、プログラムで行える自動化の範囲を超えているため、全く別で同じ効果がある仕組みを考案するところからスタートしています。また、効果を確認するため多くのアカペラを用意する事も簡単ではありませんでした。

上記3製品をバンドルした音変パックもお得な価格でご用意

今回紹介した3製品のバンドルも登場。お得な価格で手に入れたいという方は是非。

フランク重虎氏からのメッセージ

DOTEC-AUDIOで作るエフェクターは、音の信号処理テストに使うようなフィルターやその他の実験器具のような作りと違い、音楽で使う事だけを目的に様々な教科書的な公式を曲げています。

ですから、テストトーンの結果がオーディオ特性として非常識になる場合もあります。それは名機と呼ばれるヴィンテージ機材が、最新のハイファイオーディオと比べて利口な結果にならないのと同じです。この人の感覚の不思議があるからこそ、耳で聴いていかに心地良いかを正解として、大量の楽曲を聴き、模倣し、分析する事に多くの時間を使っています。

是非無料のデモ版から楽しんでみてください。

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是非是非チェックを。

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