DOTEC-AUDIO開発者インタビュー

DOTEC-AUDIO(@DotecAudio)は、日本を代表するプラグインデベロッパーのひとつで、これまで多数の製品を世界に送り出しています。

そんな非常に精力的な同社ですが、先日、新たにフラグシップコンプレッサープラグインとなる、DeeCompressorをリリース。

そして、Computer Music Japan StoreでもDOTEC-AUDIOの製品を取扱い開始。

今回は、開発者である飯島氏とフランク重虎氏にインタビューを行い、新製品のDeeCompressorや、オススメの製品についてお話をお伺いしました。

既に愛用しているという方も、気になっているという方も楽しめる内容になっているので、是非最後まで読んでみてください。

目次

他のメディアでも語られているのでご存知の方も多いかと思いますが、改めてDOTEC-AUDIOについて教えて頂けますでしょうか?

飯島氏:もともと弊社(株式会社ふむふむソフト)は2006年からソフトウェア開発を行っている会社だったのですが、そこに以前から友人だったフランク重虎さんが「VST作って販売しませんか?」というアイディアを持って来てくれたのがDOTEC-AUDIOというブランドの始まりです。

当初は、重虎さんが製品アイディアや理論を考案して弊社が開発を担当、というつもりだったのですが、音響部分の実装が弊社にはあまりに難解でしたので(苦笑)、そこはもう重虎さんにプログラミングを覚えてもらって直接担当してもらい、弊社がその他の画面実装や販売システム等を担当する、という分担になって今に至ります。

重虎氏:昔からアナログ回路でのエフェクター作りはしてましたので、それとサウンドエンジニアの知識と合わせてC++でプログラミングできるようになり本格的に開始しました。

DOTEC-AUDIOと言えば、シンプルな操作性でキッチリ目的の音に辿り着ける効果がウリではないかと思います。製品を開発する上で、苦労された点や工夫された点等はありますでしょうか?

重虎氏:よく洗濯機の例を挙げるのですが、全自動洗濯機のほうが操作が簡単な分、内部の設計は複雑になります。プラグインも同様に沢山のパラメータをすべてユーザーにまかせて開放したほうが苦労がありません。

この内部パラメータの連動部分を考えるのが苦労します。ピタゴラスイッチみたいなものです。

オリジナリティ溢れるGUIが特徴ですよね。こういう部分も人気の秘訣かと思いますがいかがですか?

重虎氏:パラメータなどの画面配置は音楽制作の使い勝手がわかる必要がありますので、初めに僕がレイアウトを考えるのですが、それを元に以前から交友のあった出雲重機さん(@izmojuki)、福田興業さん(@Fukudakogyo)にかっこよくしていただいてます。

音楽的な要素以外でも遊び心で90年代のカーステレオ、ロボットアニメ、スーパーカー自転車など自分たちが多感な時期に影響をうけ、リバイバルさせたいようなモチーフ入れて頂くことを無茶ぶりのようにお願いしています。

それを完璧以上に仕上げて頂けるのはやはり世界で活躍されるグラフィックデザイナーのお二方の凄いところです。

新製品DeeCompressorについてお話を聞かせてください。開発のコンセプトはどのようなものでしょうか?

重虎氏:前身のDeeCompをゼロからリメイクした製品です。まずフラグシップ製品としてDeeMaximizerと操作感を揃えたかったというのが大きいです。

そして、どうせ作るなら中身も良くしようと時間をかけて磨き上げました。コンプの音色は千差万別ですが、アーティストがコンプに期待している音色と効果「コンプらしい」という部分はある程度同じ方向を向いています。そのど真ん中のコンプらしさを追求するコンセプトです。

ゆにばす個人的に非常に味付けの無い、クリアで現代的なコンプレッサーで、オールジャンルに使用可能ではないかと感じました。

重虎氏:仰る通りの部分が前述の「ど真ん中」となりまして、味付けはあるのですが味付けなく素直に感じる理由として、ゆにばすさん、そして皆さんが「コンプらしい」と思う音のイメージとブレが少ないからです。逆にイメージより意外な音を出されると味付けが強いと感じます。

ですので、この音にコンプをかけたいと描いたサウンドに近づけやすく様々な場面に向いています。

DOTEC-AUDIOで最も人気の製品を教えて頂けますか?

飯島氏:一番定番と言えるのはやはり最初のマキシマイザーであるDeeMaxでしょうか。 「マキシマイザー」というジャンルはずっと人気がありますし、なんといってもあのでっかいレバーがDOTEC-AUDIOのある種の「顔」になってしまいましたので(笑)

重虎氏:あと一定の人気があるロングセラーはDeeTrimCastです。これは音楽制作ではなくポッドキャスターに人気のオートレベラー(大小する音声を一定に保つエフェクト)です。

ゲーム配信で盛り上がって大声を出しても、しずかに語っても視聴者が聞きやすい音量に自動調整してくれます。手ごろな価格も人気です。

飯島氏:そうですね。そのほかにもDeeTrimやDeeWider、DeePopMaxなどヒット商品は出ておりますので、いつも新製品を楽しみにして下さるユーザーの皆様に感謝しています。

飯島様、フランク重虎様、それぞれのオススメの製品も教えて頂けますか?

飯島氏:私個人的には配信向けのDeeTrimCastがオススメです。

ある意味、現時点で唯一「音楽向けではない」というところが大きな特徴になっていますし、音楽制作をされない方でもOBSなどを使って配信をされていれば利用シーンがある、というところが是非いろんな方に試して頂きたいポイントです。

重虎氏:どれも産みの苦労から好きなのですが、Maxシリーズを置いておくとDeeRAMは他に類がなく役目を理解するとすごく便利です。

インサートした部分の音をメモリーに一時的に録音できるんです。それが4バンク録音できDAWに同期して再生するので聞き比べが行えます。

レイテンシーの多いプラグインとかはバイパスするにも音がカクついたりしますから、シームレスにビフォアアフタをチェックできる便利な製品です。エフェクトラックで録音して再生できるプラグインですから、思い付き次第でもっと便利に使えます。

あとDeeSubBassとDeeVocoderは単純に音も見た目も凄くかっこいいです。

DOTEC-AUDIOブランドは、海外でも注目を集めているようですが、日本国外の反響はいかがですか?

重虎氏:フリープラグインのDeePanpotがイギリスのFutureMusicMagazineを出版しているmusicradarにベストフリープラグインとして選ばれたほか、同社のComputerMusicMagazineでは本誌付録としてオリジナルプラグインを開発しました。

その他KORGさんのGadgetシリーズのDeeMaxで海外に出ていますが、海外はデベロッパー数も日本の比ではないので、まだまだ認知していただく努力が必要です。

飯島氏:そうですね。重虎さんのおっしゃるとおり、正直言ってまだまだ認知度は小さいので、引き続き国内のみならず海外でも人気が出るように頑張っていきたいと考えています。

DOTEC-AUDIOの今後の新製品についても市場の期待を感じます。どのような製品を開発予定でしょうか?お聞かせ頂ける範囲で結構ですので…!

重虎氏:製品予定リストがたまりに溜まってしまい、どれから作るか常に悩んでいます。

ドラムやベース、リードはありますが、ボーカルに特化した製品はまだ発売していませんので良い製品が作れそうです。

DOTEC-AUDIO製品を愛用している方、またはこれから試すかもしれないDTMerへ向けてメッセージをお願いします。

重虎氏:ここ数年で出てきてUIも奇をてらった感じで「なんだ?」とお感じの方も沢山いらっしゃると思います。DOTEC-AUDIOの目指すゴールは良い音楽作品を一緒に作ることですので、是非デモをお試しください。

僕自身がユーザー登録を面倒に思っているのでDOTEC-AUDIOの製品は何も登録なしにダウンロードできて、そのままインストールして試せます。もちろん本使用時のドングルも必要ありません。

一定時間フル機能が試せます!さらにメジャーアップデートまで全て無料でご提供していますので、長く使える相棒になりますよ!もちろんサポートは各種SNSのDMやメールで日本語OKですのでお気軽にお問い合わせください。

飯島氏:DOTEC-AUDIOの製品はいずれもフランク重虎さんの「アーティスト目線」から考案、開発されている製品ですので、触って頂ければ「ああ、なるほど」と納得して頂ける製品となっているはずです。

また、既に多くのプロフェッショナルに現場で利用されている実績がありますので(我々からは言えないのが残念なのですが(笑))、是非安心してお試しください!

Computer Music Japan StoreではDOTEC-AUDIOの製品を取扱中です。新製品、DeeCompressorのイントロセールに加えて、CMJ Store限定バンドルも期間限定で販売中。是非チェックを。

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