【炭竃智弘氏インタビュー】Juice=Juice、DOMOTO、M!LKの楽曲制作を支える音源とは?愛用製品もご紹介

J-POPを中心に、ゲーム、アニメ、映像音楽など幅広い分野で活躍する作曲家・編曲家・サウンドプロデューサーの炭竃智弘氏。

Computer Music Japan Media(CMJM)では、これまで数多くの製品レビューを手掛けていただいています。

今回は、そんな炭竃氏にインタビューを実施。Juice=Juice「盛れ!ミ・アモーレ」、DOMOTO「ニュー・アンティック」、M!LK「ザッツ!超常」といった実際の参加作品を例に、制作現場で活躍した音源・プラグインと、その具体的な活用方法について伺いました。

さらに、進化を続けるAI技術との向き合い方や、生演奏ならではの魅力、今後の音楽制作への展望についてもお話しいただいています。

第一線で活躍するプロの制作現場を垣間見ることができる、貴重なインタビューとなっているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

炭竃智弘氏インタビュー

炭竃 智弘(Tomohiro Sumikama)作曲・編曲・サウンドプロデューサー

「記憶に残るポップネスと、確かなクオリティ」を、すべてのコンテンツに。

2013年、「dAP production」を設立。

生楽器の躍動感を活かしたファンク/ソウル/ディスコサウンドから、時代性を捉えたエモーショナルなポップス/エレクトロまでジャンルを横断する柔軟な音楽性と高いクオリティを武器に、多様なアーティスト・作品に貢献している。

J-POPを中心に、広告・映像・ゲームなどあらゆるコンテンツにおいて、作品の世界観やメッセージを効果的に伝え、訴求力を高める力を持つ。

近年は、映像音楽・CM・アプリ・ゲームサウンドなど、視覚コンテンツと連動するメディアミュージック制作にも活動領域を拡大。

まずは炭竃さんの現在の音楽活動について教えてください。 普段はどのような音楽を中心に制作されているのでしょうか?

炭竃氏: 現在はJ-POPを中心に、ゲーム音楽や映像音楽、特にテレ ビCMやラジオ・WebのCM、ミュージックビデオなどの音楽を作っています。

ここ近年で言うと、アプリ(特にRPG)だったり、アニメ や劇伴も含めて、映像に対する音楽もかなり積極的に作っ ている状況です。

最近担当された楽曲と、その中で実際に使用されたお気に入り製品について教えてください。

炭竃: 直近で制作に参加した楽曲から、3曲ほどご紹介させていただきます。

盛れ!ミ・アモーレ / Juice=Juice

Juice=Juice 「盛れ!ミ・アモーレ」

作詞:山崎あおい 
作曲:山崎あおい 
編曲:炭竃智弘

まず1曲目が、ハロー!プロジェクト / Juice=Juiceの『盛れ!ミ・アモーレ』です。

ここでは、レビューを担当させていただいた、IK Multimedia 『MODOBASS 2』(アップライトベース)をレイヤーで 使っています。

参考記事:【IK Multimedia MODO BASS 2徹底レビュー】待望のアップライト/フレットレス音色や時短になる新機能を徹底解説!最強のベース音源たる理由をガチ評価

独特の質感がお気に入りなんですよ。特に反応がすごく良好で、出音が非常にリアルなんですよね。

もちろんメインも張れる音なんですが、レイヤー要因とし てかなり活用させてもらっています。

ニュー・アンティック / DOMOTO

DOMOTO 「ニュー・アンティック」

作詩:堂本剛  
作曲:堂本光一  
編曲:堂島孝平 / 炭竃智弘

2曲目が、DOMOTO「ニュー・アンティック」(最新シングル収録曲)です。

この作品では、メインのビート・ドラムにBOGREN DIGITALの『ElroyDrums』を活用しています。

参考記事:バランスの良い即戦力となる魔法のようなドラム音源、Bogren Digital Eloy Drumsレビュー

外部のエフェクト処理はほとんどせず、Elroy Drumsの中に 入っているリバーブ感やルーム感をそのまま採用しまし た。

Elroy Drumsにしか醸し出せないトランジェント感とエアー感があり、すごくお気に入りのドラム音源です。

ザッツ!超常 / M!LK

M!LK「ザッツ!超常」

作詞:山崎あおい 
作曲:山崎あおい 
編曲:炭竃智弘

そして3曲目が、M!LKの『ザッツ!超常』(TVアニメ『超 巡!超条先輩』OP)です。

こちらの楽曲では、デモの制作段階で、EastWest 『Hollywood Pop Brass』が大活躍してくれました。

参考記事:【HOLLYWOOD POP BRASSレビュー】プロ作曲家が実演!書き下ろしデモ曲&フレーズ活用術

本番のブラス隊は生演奏に差し替えているんですけれど、 試しにレイヤーしても上手く馴染んでくれました。

特に「phrase」パッチが音質、演奏内容共に抜群に心地よくて、歌ものアレンジでは活用率No. 1のブラス音源です。

ほとんどの歌もの作品で活用している音源もご紹介

最後にもうひとつ、 In Session Audio 「Shimmer Shake Strike 2」 をご紹介します。

こちらは個人的に大好きな音源で、ほとんどの歌もの作品で活用しています。

プリセットの豊富さはもちろんですが、MIDIドラッグ&ド ロップエクスポート機能とリバーブルームの質感が気に入っています。

ここ最近で『進化したな』と感じる機材や、AIの活用状況 についてはいかがですか?

炭竃氏: やっぱりAI機能ですね。自動分析だったり、楽曲のバランスやミックスに合ったものを提案してくれるオート機能の進化はすごいです。

特にモジュレーション系というか『音の動き・モーション』に関して、かなり幅広い表現力を提案してくれるプラグインが増えたなという印象があります。

ゲーム音楽や映像音楽を作っていると、”ちょっとした空間 の揺らぎ”だったり、トランジェントも含めた『音の輪郭と動き』がすごく重要になるんですが、 その辺りへのアプローチがユニークに展開されるのがすごく面白くて。

そういった自動生成されたプリセットやミックスバランス提案も含めて、自分自身の制作にもかなり積極的に取り入れています。

これからの活動における目標や展望についてお聞かせ ください。

炭竃氏: J-POPを中心に、担当作品をもっともっと多くの方へ届けていきたいです。

表現したいこと・チャレンジしたいことだらけなので、リスナーの皆さんに楽しんでいただける瞬間が少しでも増えたら嬉しいなと思っています。

ゲームやアニメ作品への楽曲提供も、もっと幅広く展開していきたいと思っています。

テクノロジーの進化とうまく手を取り合っていけたらいいなと思う中、『AIでは生み出せない生演奏(人間)のライブ 感』も大事にしていきたいんですよね。

作品の中に生演奏を積極的に取り入れて、いろいろなミュ ージシャンやアーティスト・演奏家の方々とのコラボレー ションも充実させていきたいです。

僕自身、元々は絵描きだったこともあって、音楽を本格的 に始めたのがかなり遅いんです。

ピアノも習った事が無く、キーボードを始めたのも20代前半で、本格的な作家活動は35歳からのスタートなんです。

ただ、こうしてテクノロジーが進化してインスピレーショ ンを掻き立てられるツールが増えて、すごく便利に使える時代が来ているからこそ、頭の中にあるイマジネーションや創作の根幹をもう一度見直せる良いタイミングだなと思っていて。

自由度が増していく分、これからもっと”アート”を楽しめ る未来になっていくんじゃないかなというワクワク感を持 っています。

最後に、CMJ読者の皆さんへメッセージをお願いします!

炭竃氏: 実は、ゆにばすさんとの出会いもすごくユニークでw

数年前に、SNSでゆにばすさんが紹介されていた無料プラグインを見ていて『面白そうだな』と思い、その無料音源を使ったトラック制作動画をアップしてみたんですね。

そうしたら、ゆにばすさんがピックアップしてくださって、 そこから製品レビューのお手伝いをするご縁に繋がったんです。

CMJはこれからも充実した製品レビューや新製品情報、お得な情報が満載でどんどん発展していくと思いますので、ぜひ要チェック&フォローしていただいて!

これからも、読者の皆さんと一緒に、新しいテクノロジーや製品を楽しみながら音楽シーンを盛り上げていけたらと思います!!

炭竃智弘 オフィシャルサイト http://dapproduction.com/

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