【PR】Liquid Sonics Seventh Heaven Professionalレビュー

Liquid Sonics の Seventh Heaven Professionalは、伝説的なハードウェアリバーブ、Bricasti Design M7のシミュレーションであり、Fusion-IRという再生技術によってハードウェアのM7を完璧に再現している、とのことです。

IRベースのリバーブでありながら、自在にバランスを変更することができるので、アルゴリズミックリバーブのように扱うことができます。

筆者はLiquid Sonics とSlate Digitalが共同開発したVerbsuite Classics(以下VSC) を愛用しているので、
VSCとの比較もしながら本製品をレビューしていきたいと思います。

Seventh Heaven Professional

プリセットを一聴して感じるのはその重厚感です。

ハードウェアのM7を触ったことがない筆者でも、このリバーブが一般的なリバーブプラグインと一線を画していると感じました。

高域の減衰が非常に自然なので違和感なく空間に溶け込みますし、かつ濃厚な低域成分によってその存在感を示してくれます。

単に低域がブーストされてこもっている感じではなく、重心が低くリッチな厚みを感じます。

インターフェイスも洗練されており、非常に扱いやすくなっています。

Seventh Heaven にはStandard と Professional のエディションがあり、Standard版は基本的にプリセットから大きく音色を変更できませんが、Pro版には5バンドEQや帯域別ディケイタイムなどが備わっていて細かな調整が可能となっています。

収録プリセット数もStandard版の30に対しPro版は236と大きな差が設けられています。

IRリバーブの性質上、プリセットの多さがサウンドバリエーションに直結するので、楽曲毎に柔軟に対応したい場合にはPro版が必須になってくると思いました。

とはいえ、サウンドの核はStandardとProで共通しているので、Standard版でもSeventh Heaven の重厚なサウンドを楽しめるようになっています。

前述のSlate Digital と共同開発したVSCでは、色んなハードウェアをシミュレートしたプリセットが収録されていて、恐らくBricasti M7をシミュレートしたであろうプリセットも入っていたのでそれと比較してみたところ、Seventh Heaven の方が明瞭さがあり、サウンドクオリティが一段増したような印象がありました。

VSCは重厚さを出すために多少無理をして低域を強調している感があり、対してSeventh Heaven は無理なく低域が再生されているように感じます。

また、機能面ではディレイが付いてることも評価できます。

ボーカルリバーブにはディレイを併用したいことが大半なので、サクッとディレイが使えると毎回ディレイを立ち上げることがなくなって便利です。

1000msまでのシングルディレイのみという不自由さはありますが、このディレイの音色も濃密で十分使えると思います。

プリセットは全体的に重いサウンド傾向ですが、ROLL-OFFのツマミを回せば高域成分もはっきり聴こえるようになるので、スッキリした空間を作りたい場合にも対応できます。

Seventh Heaven はボーカルリバーブとしてはもちろん、ギターやシンセ、キックなど楽器に使用しても十分に性能を引き出せます。

特にVery Low Freq Reverb(VLF)機能は、キックに地鳴りのようなサウンドを足せるので立体感あるサウンドメイクが可能です。

改善してほしいポイント

大きく気になるところはなかったです。

強いて挙げるとIRリバーブという性質上データ容量が大きめ(600MB近く)なことと、CPU負荷の高さが気になりました。

CPU負荷

CPU負荷は中程度で、オーディオIFのバッファサイズを増やしておかないと複数個扱うのは厳しいと思います。

当環境ではバッファサイズ1024sample時で負荷5%程度でした。これはCubase標準のIRリバーブ、REVerenceの約2倍の負荷です。

ただ、設定にてレイテンシーを加えて負荷を軽減することも可能です。

デフォルトはゼロレイテンシーで、最大8192sampleまで加えた場合は負荷が半減しました。

  • OS : macOS Big Sur 11.4
  • CPU : 3.6 GHz 8コアIntel Core i9
  • メモリ : 40 GB 2667 MHz DDR4
  • DAW : Cubase Pro 10.5
  • バッファサイズ : 1024samples
  • サンプリングレート : 48kHz
  • ビット解像度 : 32bit float
  • オーディオIF : Antelope Discrete 8 SC

まとめ

重厚なリバーブサウンドは楽曲クオリティの底上げには必須だと思いますし、快適な操作性によってIRリバーブ独特の取っ付きにくさが全く感じられないので、これまでIRリバーブを使ってこなかった方も違和感なく導入できると思います。

StandardとProで価格差が結構あるので、まずはStandardから様子を見てみるのも全然ありですね。

価格に相応しいクオリティを実感できるので、ジャンルや状況問わずおすすめできる製品です。

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